第5回は、前回に続く形で「与信・債権管理のプロセスについて(2)」と題して、■3.債権の期日管理、■4.緊急措置(緊急時の債権管理)についてお話させて頂きます。
■3.債権の期日管理
- 契約上の商品を客先の受渡条件通りに受け渡し、当該商品の所有権が客先に移った時点で、客先に対する債権に変わります。支払条件が「前渡金条件」ないしは「現金引換え条件」であれば別ですが、「受渡後何日後支払」という条件の場合は、債権を回収するまでは債権の期日管理を行い、期日通りに入金されるかに注意が必要です。
■4.緊急措置(緊急時の債権管理)
緊急事態発生ないしは倒産兆候が認められる場合には、緊急措置を講じる必要があります。
支払遅延の理由は色々あり、必ずしも直に危険な状態になるわけではありませんが、支払遅延は代表的な危険の予兆です。その後に、支払繰延の要請や手形ジャンプの要請が続く場合が想定されますので注意が必要です。
今回は、支払遅延の初期段階の対応についてご説明します。
- 支払遅延は、代表的な危険の予兆であり、支払遅延先に対しては、「新たな契約も追加の出荷もすべきではない」というのが基本姿勢です。しかし、支払遅延理由等を確認しないで、長年培った商売を中止することは早計です。まずは、相手の経営実態を再確認する必要がありますが、その前に、自社の契約・債権ポジションを把握しておくことが重要です。支払遅延が起きた時点の未計上・未請求分を含む現時点での債権総額・明細、未履行契約残の明細と出荷スケジュールを確認する。特に、未履行契約について出荷するかどうかは、「基本姿勢」通り少なくとも相手先の状況が確認出来ない時点では控えるべきです。
- 相手先を往訪し、社長及び経理責任者の顔色を見ながら経営実態を再確認します。
- 遅延理由は何なのか?
- 再発防止策は講じているのか?
- 資金繰りに支障はないか?
- 他の支払は遅れていないか?
- 「支払遅延」が起きているのに、相手がのらりくらりと誠意のない対応をしてくることもままあります。このような時は、「督促状」を内容証明郵便で出すことも実務ではよく行います。我々の名前ではなく、弁護士名で出したりすると更に効果が増すこともあります。
次回は、支払繰延の要請や手形ジャンプの要請を受けた場合の対応について、ご説明します。