« 第2回 債権保全の観点から見た新会社法の改正ポイント | メイン | 第4回 与信・債権管理のプロセスについて(1) »

第3回 与信・債権管理の概念について

第3回目は、「与信・債権管理」の概念についてお話させて頂きます。

■1.「与信管理」とは

「与信管理」とは、文字が表すとおり「信用を与える」ということです。
現代の「信用経済」では、相手先を「信用」して行なう経済活動が経済の基盤となっています。仮に「信用」が与えられなかったとしたら、これほど大きな経済活動はできないことは簡単に想像できるでしょう。「信用」を「与えること」、すなわち、「与信」は現在の経済活動の根幹を支えているものです。

そして、「信用を与える」=「リスクを負担する」ということですので、相手が「与信」に耐えうる相手かを注意して判断しなければなりません。

  1. 皆様が取引上行なっています「契約条件」で、色々な形で信用を与えていますが、重要なことは、どれほどの額(与信額)をどれほどの期間与える(与信期間)かです。

  2. 例えば、『5百万円の商品を3月末に引渡し、代金支払を「引渡し後3ヶ月目の約束手形で支払う」という契約条件』で注文を受けたとします。
    この場合、商品を3月末に引き渡し、約束手形が現金化するのは6月末になります。
    従い、5百万円の信用(リスク)を3ヶ月間与える(負担する)こととなり、相手がこの与信に耐えられる相手かを判断する必要があります。

  3. 取引上での与信形態の一例を挙げましたが、これ以外にも、「商品を預ける⇒契約通り返してくれるか」「商品を買った⇒契約通り商品を引き渡してくれるか」「金を貸した⇒契約通り返してくれるか」等々与信形態は色々ありますので、取引内容毎のリスクに注意し、与信管理をする必要があります。

■2.「債権管理」とは

次に「債権管理」について、お話させて頂きます。
債権管理については、一般的に与信管理とひっくるめて「与信管理」と位置付けして管理することも多いですが、「与信管理」と「債権管理」をそれぞれ区分する場合は、2つの考え方があります。

  1. ひとつめは、「商品の引渡」をその境目にする考え方です。即ち、「販売代金債権回収リスク」が「発生する前」と「発生した後」に区分するものです。従って、この場合の「債権」は、「販売代金債権」となり、「販売代金債権」が支払期日通りに履行されるか「代金債権残高」を管理します。

  2. ふたつめは、「売買契約締結」を境目にする考え方です。この場合は「販売商品の引取請求債権」+「販売代金債権」が「債権」となります。販売契約を結んで販売商品を引取期日に引取ってくれるか「契約残高(受注残高)」から管理し、続いて発生する「販売代金債権残高」も管理するやり方です。

「与信・債権管理」としては、「前者の考え方」の方が一般的ですが、商品の汎用性が低い場合(販売先以外では使用できない商品)は、「販売契約履行リスク(引き取ってくれない場合のリスク)」は非常に高いと考えられますので、注意してください。

次回は、「与信管理のプロセス」についてお話します。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mitsui-credit.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/4

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年06月25日 03:46に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「第2回 債権保全の観点から見た新会社法の改正ポイント」です。

次の投稿は「第4回 与信・債権管理のプロセスについて(1)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35

- 三井物産クレジットコンサルティング株式会社 -
Copyright © Mitsui Bussan Credit Consulting Co.,Ltd. All rights reserved.