2008年09月24日

与信管理/財務比率における注意点【第八回】

 今回は固定長期適合率です。

 固定長期適合率 = 固定資産 ÷ (自己資本合計 + 固定負債) × 100

 固定資産(土地建物等、多額の資金が張り付いて寝てしまうもの)は自己資本(返済の必要のないもの)と固定負債(長期に亘って返済が認められるもの)での調達が望ましく、固定長期適合率は資金の流動性を判断する重要な指標です。一般的に100%以下が望ましいとされています。100%を超える場合、設備投資等を短期の返済資金でもって調達していることを意味しており、資金繰りが不安定と言えましょう。過大設備投資ではないかと疑ってみる必要があります。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は流動比率についてお話します。

与信管理/財務比率における注意点【第七回】

 今回より、流動性を表す財務比率についてご紹介します。まず始めは固定比率です。

 固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本合計 × 100

 固定比率は、自己資本のうち、固定資産をどれくらいの割合で調達しているのかを見る指標となります。固定資産は回収に長い期間を要する為、固定比率は100%以下が望ましいとされていますが、他人資本に依存しているわが国においては、100%以下の企業は必ずしも多くはありません。従って、より実状に沿った指標として固定長期適合率があります。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は固定長期適合率についてお話します。

2008年09月10日

与信管理/財務比率における注意点【第六回】

 今回は、詳細な決算書を取引先から入手できない場合に、簡易に経常収支を把握する方法をご紹介します。計算式は下記の通りです。

 経常収支 ≒ 経常利益 + 非資金費用等 - 運転資金の増減分

 ここでの"非資金費用等"とは、減価償却費等のキャッシュを必要としない費用が該当し、"運転資金の増減分"とは、売上債権や棚卸資産より仕入債務残高を差し引いた金額が該当します。B/Sの2期分さえ入手できれば、おおよその経常収支の算出が可能です。

 与信管理/財務比率における注意点、次回以降は流動性を表す財務比率についてお話します。

2008年08月22日

与信管理/財務比率における注意点【第五回】

 前回お話した経常収支比率ですが、期末が休日の場合は注意が必要です。

 通常の企業では、期末が休日の場合、仕入債務の支払日は翌営業日になります。その結果、期末時点では実態よりも多額の仕入債務残高が計上され、経常収支比率が高くなるからです。このような場合は、期末の仕入債務残高より翌営業日に支払われる仕入債務を差し引いた上、経常収支比率を把握する必要があります。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は取引先から決算書が入手できない場合の経常収支比率の把握についてお話します。

2008年07月02日

与信管理/財務比率における注意点【第四回】

 今回は、経常収支比率についてお話します。

 経常収支比率 = 経常収入 ÷ 経常支出 × 100%

 ここでの「経常収入」には、売上高や営業外収益、売上債権の増加分が対象となり、「経常支出」には、売上原価や販管費、営業外費用、仕入債務や棚卸資産の増加分、更には配当金や法人税、退職給与引当金の増加分等が対象となります。

 経常収支比率は、総合的な現金収支・資金繰りを見る指標であり、経営活動による収入で、当期の運転資金を賄えているかをチェックできる重要な指標です。一般的には100%以上が望ましく、85%以下であれば要注意となります。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は経常収支比率についてもう少し踏み込んだお話をします。

2008年06月17日

与信管理/財務比率における注意点【第三回】

 今回は、総資本事業利益率についてお話します。

総資本事業利益率 = ((営業利益 + 受取利息 + 配当金等) ÷ 総資本 − (支払利息割引料 ÷ 有利子負債)) × 100%

 総資本事業利益率は企業の事業活動でどれくらいの利益を獲得したかを表しており、収益性を示す重要な指標となります。一般的に高いほうが良いと言えます。当社では、事業活動で得られる利益を営業利益、財務活動で得られる利益を受取利息・配当等とし、更に支払利息や割引料を加味していますが、営業利益の代わりに税引後利益や経常利益を利用したり、支払利息や割引料まで加味しない場合もあります。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は経常収支比率についてお話します。

2008年06月09日

与信管理/財務比率における注意点【第二回】

 今回より、収益性を表す財務比率についてお話します。

 収益性を見ることで、対象となる企業が、企業活動に要した費用と比べて、どれほどの収益を上げているのかを確認できます。従い、収益性が低い場合、企業の採算性が低下していることになります。まずは、収益性を表す比率の内、売上高総利益率についてお話します。

売上高総利益率 = 売上高総利益(粗利益) ÷ 売上高 × 100

 売上高総利益率は、文字通り売上高に占める売上総利益(粗利益)の割合を見る比率です。売上高総利益率が高い程、収益性が高いと言えますが、単期ではなく、連続期で比較したり、同業他社や業界水準と比較することが重要となります。同様の比率として、売上高営業利益率売上高経常利益率がありますのでチェックしてみて下さい。

 与信管理/財務比率における注意点、次回は総資本事業収益率についてお話します。

2008年06月02日

与信管理/財務比率における注意点【第一回】

 今回より、テーマを変更して財務比率の特徴および注意点をお話します。 与信判断の方法の一つとして財務分析がありますが、大きく分けて、「収益性」、「効率性(活動性)」、「流動性」、「安全性」、「成長性(発展性)」を判定する財務比率分析があり、これらがうまくかみ合っている企業が優良企業と言えます。 与信管理ブログ、次回以降は「収益性」を表す財務比率についてお話します。

2008年05月27日

与信管理/主要な勘定科目における注意点【第二十二回】(その他の負債)

 今回は、これまでに触れていない負債勘定についてお話します。

  1. 固定負債
     固定負債で、長期借入金・社債以外で注意を要するのは長期未払金です。
     通常、分割支払条件での設備等購入代金の未払分を長期未払勘定で処理しますが、同勘定を利用して、仕入債務の支払猶予(長期猶予)や長期繰延の金額を含める場合もありますので、注意して下さい。

  2. 保証債務(偶発債務)
     保証債務は脚注表示の扱いですが、金額の大きい保証先に対しては、財務内容等を調査し、保証に耐えうる企業か否かの判断が重要です。特に、保証先が関係会社の場合には連結財務諸表を取り付け内容をチェックして下さい。保証先が債務超過であったり財務内容の悪い先であれば、損失の可能性(引当金の設定)も加味し、取引先の財務内容を見直して下さい。

 与信管理/主要な勘定科目における注意点は、今回をもちまして終了致します。ご愛読ありがとうございました。次回からは、与信管理上重要な「財務比率の特徴および注意点」をテーマとした連載となりますので、引き続きご愛顧の程、宜しくお願い致します。

2008年05月15日

与信管理/主要な勘定科目における注意点【第二十一回】(その他流動負債A)

 前回に引き続き、その他流動負債についてお話します。

  1. 仮受金
     仮受金とは、内容が明らかでない現金の受領があった場合に、一時的に処理する勘定科目であり、後日勘定科目や金額が確定した段階で振替処理が必要です。
     仮受金は、当期仕入分の一部を仮受金として処理し、売上原価を過少計上するといった利益操作や、融通手形操作(借方:受取手形/貸方:仮受金)に利用される場合があります。突然多額の仮受金が計上されている場合は、その内容・発生事由を聴取して下さい。特に、相手先が親会社・同業者・個人経営である場合は要注意です。
  2. 未払費用
     未払費用とは、家賃や給料等営業取引以外の継続的な取引から生じる債務について、当期分未払額を計上するための勘定科目です。
     損益計算書の費用勘定との比較となりますが、この勘定科目が相対的に大きい場合は資金繰りが苦しくなっている可能性があります。キャッシュフローと合わせて内容をよく確認して下さい。
 与信管理/主要な勘定科目における注意点、次回はその他の負債についてお話します。

- 三井物産クレジットコンサルティング株式会社 -
Copyright © Mitsui Bussan Credit Consulting Co.,Ltd. All rights reserved.